いざ、分蜂群捕獲へ

分蜂群捕獲のための巣箱の設置には気を使う。

巣箱やキンリョウヘンの数に限りがあるからだ。

効率良く捕獲するには、偵察蜂が来そうなところ(自然巣が形成されそうなところ)に巣箱を設置する必要がある。

今回は、下の写真のような森に巣箱を設置することができた。

直射日光は木々によって適度に遮られている。理想的だ。

実はこの森、耕作放棄地で、以前は栗畑であったらしい。

しかも嬉しいことに、巣箱やキンリョウヘンが道路から全く見えないのだ。

設置した次の日に、偵察蜂を確認(下の写真)。

巣門近くを飛び回ったり、巣箱に出たり入ったりして、いかにも「偵察」という感じだ。

もはや、キンリョウヘンへの興味は無くなっているようだ。

さらに三日後には、より多くの蜂が巣門付近に群がっていた(下の写真)。

偵察というより、巣門の清掃、あるいは扇風によって巣箱内の温度調整(?)を行っているように見える。

また、遠方に飛び立つ蜂や、逆に戻ってくる蜂も確認できた。

このような状態でキンリョウヘンは不要だ。さっそく撤去した。

薄暗い杉林(下の写真)でも分蜂群の捕獲は可能でしょうか?

崖の下は湿地帯で、以前は水田だったようだ。現在は耕作放棄地。

巣箱とキンリョウヘンを設置して10~15分経過した時点で、キンリョウヘンの周りに蜂を確認。

こんなところにも原種はたくましく生きているようだ。

しかし、今のところ、この巣箱において分封群の入居は確認出来ない。

逃避群の入居を期待して、もう少し、このままにしておくことにした。

一方、こちらの杉林(下の写真)に設置した巣箱には、見事に分封群が入居したのを確認。

巣箱の右側の杉は立ち枯れ状態で、自然巣が作られそうだ。

そう考えると、設置した巣箱は、立ち枯れ状態の杉に勝った、ということか?

巣箱の後ろ側(北側)は、昨年までは篠林であったはずだが、いつの間にかそれが伐採されていた。光が適度に入ってきて、いい感じだ。

すっかり、気をよくして、上の写真の巣箱より、西側(写真の左側)に20mほど離れたところに、もうひとつ巣箱を設置してみた(下の写真)。

1週間後、分蜂群の入居を確認。

ここで問題です。

中古の巣箱と、未使用の巣箱を並べ、キンリョウヘンを中央に配置(下の写真)した。

中古の巣箱(写真右)には、営巣跡がしっかり残っている。他方、未使用の巣箱(写真左)には、蜜蠟や蜂蜜で、営巣跡を偽装した。

さて、分蜂群は、どちらに入居するでしょうか?

結果は、未使用の巣箱(写真左)に入居。

新品に比べて中古のほうが蜂の入居率が高いことが知られている。

中古の巣箱は、蜂も安心するのでしょう。

しかし偽装を上手にやれば、中古の巣箱に負けないのだ。

とはいうものの、こんな失敗もある。

写真の左側の巣箱は、分蜂群捕獲用に4年前に作成したもので現在不使用。写真右側の巣箱が、今年の分蜂群捕獲用だ。

高さ調整のために左側の巣箱を台に使用することにした。

丁度、こんな感じです。

当然、上の巣箱に入居するでしょう。

でも、実際には、下の巣箱に入居。

それに気づいたのは6月に入ってからで、巣箱いっぱいに巣が形成されてしまった。しかも箱が重い。蜜が溜まっているようで、今、この巣を壊すのは惜しい。

しかしこの巣箱は、構造上、内部の掃除ができないので、このまま使用するわけにはいかない。

とりあえず、蜂が入っている状態で巣箱の横板(下側の板)を外し、それを重箱の最上段として巣箱を再構築することにした。

電気ドリルの振動が蜂を刺激したようで、隙間から大量の蜂が出てしまった(右の写真)。

威勢の良い蜂が体当たりしてきたものの、刺されないで済んだのは幸いでした。

ちなみに、この群れは、現在、非常に安定しています。