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乾燥菊芋チップス&パウダー

 菊芋は、水溶性食物繊維(イヌリン)を豊富に含み、腸内環境や血糖値が気になる方に嬉しいスーパーフードですが、収穫期間(12月~3月)に限定されるのが難点です。しかも菊芋は洗浄すると日持ちしません。数日で鮮度が落ちてしまいます。イヌリン含有量も低下します。
 そこで年間を通して菊芋を手軽に食べられるよう、乾燥させることにしました。「乾燥野菜」であれば、長期保存が可能となり、 必要に応じて様々な料理に利用可能となります。

土付きの菊芋
土付きの (未洗浄) 菊芋

 1.菊芋を調達する
 菊芋は、鮮度の良いものを使用します。
 菊芋を購入する場合、生産者から直接購入することをおすすめします。直売所などを利用する場合、良さそうな菊芋を販売している生産者からまとめ買いをすることをおすすめします。その際、引き取りに来る日を必ず伝えましょう。そうすれば、その日に合わせて、鮮度の良いものを用意してもらえると思います。また、何回かに分けて乾燥する場合、菊芋は洗浄していないもの、つまり、土付きの状態で購入することをおすすめします。イヌリンの含有量低下を可能な限り抑えましょう。

2.菊芋を洗浄する
 土付きの菊芋を洗浄する場合、先ず、大雑把に土を落とします。散水栓などがある場合、水道の水圧力を利用して土を落とすのが簡単です。水撥ねにより自分も濡れますので、それなりの準備をしてから始めてください。

こぶを切り落として洗浄した菊芋
こぶを切り落として洗浄した菊芋

 次に、菊芋の「こぶ」を全て切り落とします。それにより、「こぶ」と「こぶ」の間の土を落としやすくなります。キッチンブラシを使って綺麗に洗浄します。尚、特に小さな「こぶ」は、スライスし難いため、そのまま料理に使います。例えば素揚げにして塩コショウすると美味しいです。

菊芋のスライス
菊芋のスライス

3.スライスしてチップにする
 2mm前後の厚みでスライスします。厚すぎると乾燥に時間がかかります。逆に薄いと折れやすくなります。自動スライサーを試しましたが、どうしてもクズが多くでるため、菊芋のスライスには使用していません。現在のお気に入りは手動スライサーです(上の写真)。この 手動スライサー は、クズも最小限に抑えられるし、スライスの厚み調整も容易に行えます。

水にさらした菊芋チップス
水にさらした菊芋チップス

 スライスしたものは、水にさらしてあく抜きをします。これをやらいと天日干しした際に菊芋の中央部がカビみたいに黒っぽくなりやすいです。おそらく、菊芋の成分が空気によて酸化されるのでしょう。

天日干し中の菊芋チップス
天日干し中の菊芋チップス

4.乾燥させる
 菊芋の天日干しを行います。天日干しは、天気の良い日で10時から15時ごろまで。異常乾燥注意報がでて西風が吹くと良く乾きます。一般的な野菜の天日干しと同じですね。

 ところで、菊芋を天日干しした場合、それに含まれる栄養素はどう変わるのでしょうか?

 東京農業大学短期大学部栄養学科調理学研究室の調査によれば、菊芋を干した場合の栄養素は、イヌリンやビタミンB2が通常の5倍、たんぱく質は7倍まで増えるとのことです。(スゴイ!)

 以前は、上の写真のように金網に綺麗に並べて天日干していましたが、15時過ぎに取り込んで翌日また天日干しする作業が面倒になり、今は「吊り下げタイプの干し網」を使用しています。

「吊り下げタイプの干し網」

「吊り下げタイプの干し網」

 この 「吊り下げタイプの干し網」は6層になっており、一度にたくさん干すことができます。しかも、 この干し網 ごと屋内に取り込むことができるので、とても便利です。菊芋が多いときは、この 「吊り下げタイプの干し網」 を3つ使用して天日干しを行います。

食品乾燥機に入れた菊芋チップス
食品乾燥機に入れた菊芋チップス

 また、必要に応じて、天日干しと食品乾燥機とを併用します。4~5時間の天日干し乾燥を行った後に、この食品乾燥機を使って十分に乾燥させて仕上げるという使い方です。特にパウダーを作る場合は、この手順でカリカリになるまで乾燥させます。乾燥機の温度と乾燥時間とは菊芋の量や時間帯によって微妙に異なります。乾燥温度は概ね60℃前後、乾燥時間は7~16時間の間で調整します。乾燥終了後に速やかに袋詰めを行わないと、乾燥菊芋は湿気を吸い込んでしまいます。乾燥機による乾燥が深夜や早朝に終了しても、その時点で袋詰めを行うことができなければ、湿気の吸収により、再び乾燥機を使用しなければなりません。

カラカラに乾いた菊芋チップス
カラカラに乾いた菊芋チップス

5.パウダーにしてみる
 パウダーにするには、粉砕機を使用します。試作段階では、手持ちのミルサーを使用していましたが、現在は、もう少し大きなものを使っています。「300g製粉機 電動粉末ミル」です(上の写真)。カリカリに乾燥した菊芋チップスを入れて、30~50秒でパウダーになります。手動ですが、粉砕しながらスイングできます。それによりパウダーが均等になるようです。見事です。

乾燥菊芋パウダー
出来上がった「乾燥菊芋パウダー」

 慣れてくと、欲が出てきて、さらに大きなものが欲しくなります。この 機種 はパワーが1500 W。家庭用ブレーカーの許容範囲内での使用であることを考えると、このあたりが限界でしょう。と、自分に言い聞かせております。

 菊芋チップにしてもパウダーにしても湿気を嫌います。保管には、乾燥材が必要になりそうです。