分蜂群の強制捕獲編

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今年の分蜂のピークは4月中旬。4月上旬の天候があまり良くなかったようで、若干、遅れた気がする。大雨の日に蜂球が作られたこともあった。ピーク時の分蜂群の強制捕獲は、1日当たり2~3群のペース。最も多い日には1日当たり6群捕獲した。

上の写真は、柿の木に作られた蜂球。枝の曲がったところ(水平に近いところ)には、毎年、蜂球が作られる。これは、おそらく第1分封群で、大きいです。巣箱は、この下にあります。ネットで捕獲。

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これは、プラムの木に作られた蜂球。この場所も、毎年人気の場所だ。地上高2mで、脚立を使用し、ネットで捕獲。

今年は、誘導板を設置してみた。

下の写真は、ヒノキの皮を張り付けた誘導板。分蜂群は、ちょっと小さいですが、思惑通りここに集合した。

ヒノキの皮は古竹で抑えた。ヒノキの皮には蜜蝋を塗ってある。蜜蝋は、バーナーで溶かして落とすようにすると容易だ。

匂い付けに、蜜蝋を取り出す時の最初の煮汁を誘引剤として、ヒノキの皮に染み込ませてある。蜜蝋を取り出す時の最初の煮汁は、強烈な匂いで、蜂を誘引する。

ただし、煮汁はカビが生えやすいので、冷凍もしくは冷蔵保存の必要がある。

蜂蜜の搾りカスは長期保存可能なので、蜜蝋の取り出し作業を、分封シーズンの直前に行うようにしている。

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誘導板は、紐の長さ調整などにより、上下動可能に支持しておくと、低い位置で、分封群の捕獲ができるので楽だ(下の写真)。分封群は、大人しいと言われているが、蜂球を崩すような外敵(?)に対しては、容赦無く攻撃する。実際、何度も刺されている。もっとも、毒性は弱く、痛みは30分程度だ。

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下の写真は、平面状に仕上げた誘導板。袋などを利用して分封群を取り込む際、誘導板を船底に仕上げるより、下の写真のように平面状に仕上げたほうが、作業は容易だし、取りこぼしが少ないと思う。

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遮光ネット(下の写真)も人気だ。

この遮光ネットは、キウイ棚に取り付けたもので、この遮光ネットにも、毎年、分封群が付く。ただし欠点もある。風に弱いのだ。風が強いと、ばたついて、蜂が落ちるおそれがある。今回は、遮光ネットの上に木材を載せることで、ネットのばたつきを抑えている。

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遮光ネットの蜂球群は、袋での捕獲が容易だ。

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厄介な場所に蜂球が作られることもある。下の写真は、プラムの木に作られた蜂球。この場所も人気があり、毎年、蜂球が作られる。ただ、今回は、2本の枝にまたがっている。

とりあえずネットを使って、捕獲できるだけ捕獲した。取り逃がしがあってもよい。捕獲した蜂たちをネットに入れた状態で、蜂球があった場所近くにつるしておく。女王を捕獲してあれば、このネットに群がってくる。女王を取り逃がしていれば、元の場所でさらに蜂球が作られるので、それを別のネットで捕獲すればよい。2015y07m04d_105041338

下の写真は、ネットで捕獲した状態だ。

取り逃がした蜂たちが、ネットに集まってきた。どうやら、女王は捕獲済みで、ネットの中にいるようだ。

通常であれば、これを空き巣箱に入れることになる。しかし、今回は、このあと、とんでもないことになる。

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上記写真の分封群を取り込もうとした途端、すぐ近くの巣箱が騒がしいのに気付く。分封だ。この分封群は、上記写真のネットの周りを回り始め、やがて、そこに蜂球を作った。下の写真がそれだ。互いに異なる二つの分封群が二重に集合した状態になった。つまり、先の分封群の女王が発する集合フェロモンに引き寄せられたということか?

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いずれにしても、このままではまずいので、さらにネットを被せて、外側の分封群を捕獲し、その近くに吊るした。下の写真がそれだ。

外側の分封群を捕獲する際に、ある程度の余裕を確保するため、金属製のザルを用いた。

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ということで、何とか2群を分離できた。

今年は、変わったところに蜂球が作られた。

飛び立った分蜂群は、近くの小竹藪(下の写真)の中に消えてしまった。ニホンミツバチの蜂球は、比較的太めの枝に作られるのでは???

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近づいてみると、藪の中に蜂球を発見(下の写真)。

2015y07m04d_105645840小竹の先が湾曲し、そこに枯れ葉が堆積して屋根を形成しているのだ。そこに蜂球が作られていた(写真中央)。このような素敵な場所、良く見つけたものだ。地上高約2m。脚立があると楽だ。蜂を刺激しないように、蜂球真下の小竹を刈取り、脚立の設置スペースを確保した。大丈夫。時間は十分にある。脚立を取りに戻り、1時間後に袋を使って簡単捕獲。

 

同じ場所に何度も蜂球が作られることから、ハチの好む場所が見えてくる。ゆえに分蜂群捕獲のために長時間観察する必要はなく、午後の時間帯に数回、ポイントをチェックするだけで十分だと思う。

尚、金稜辺を使った捕獲については、後日、レポートします。